「時効ってよく聞くけど、猶予と更新の違いがよくわからない…」
そんな宅建士試験の受験生のために、 「時効の猶予」と「時効の更新」 について わかりやすく解説 します!
時効は 試験でも頻出のテーマ なので、しっかり押さえておきましょう。
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1. そもそも「時効」とは?
時効とは、 一定の期間が経過すると権利が消えたり、新たな権利を得たりする仕組み です。
宅建士試験では、特に 消滅時効(債権や請求権が消えてしまう時効) が重要です。
例えば、AさんがBさんにお金を貸したものの、長期間Bさんに請求しなかった場合、Aさんの「お金を返して!」という権利(債権)は 消滅時効 により消えてしまいます。
しかし、時効には 「まだ消したくない!」「新たにカウントしたい!」 という場合に適用される制度があります。
それが 「時効の猶予」と「時効の更新」 です。
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2. 時効の猶予とは?【一時的にストップ】
時効の猶予(完成猶予)とは、 時効が完成するのを一時的にストップする制度 です。
例えば、
裁判を起こすと、判決が確定するまで時効が止まる(民法147条1項)。
内容証明郵便で請求(催告)すると、6ヶ月間は時効の完成が猶予される(民法150条)。
ただし、6ヶ月以内に裁判を起こさないと、時効の完成猶予は失われるので注意が必要です。
その他にも、
仮差押えや仮処分を行った場合、終了後も6ヶ月間時効の完成が猶予される(民法149条)。
当事者が書面や電磁的記録で協議の合意をすれば、その期間は時効の完成が猶予される(民法151条)。
ただし、最大1年間まで。
📌 ポイント
時効のカウントはリセットされず、一時的にストップするだけ。
一定期間が過ぎると、再び時効が進行する。
単なる請求(催告)は6ヶ月しか猶予されず、その間に裁判をしないと時効が完成する可能性がある。
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3. 時効の更新とは?【ゼロにリセット】
時効の更新とは、 時効の進行をリセットして、新たにゼロからカウントする制度 です。
例えば、
債務者が借金の一部を支払う、または「まだ返すつもりです」と認めると、時効が更新される(民法152条)。
「あと1ヶ月待ってください」と言うだけでも、時効の更新が発生する可能性があります。
裁判で確定判決を得ると、時効が更新され、新たにカウントが始まる(民法147条2項)。
和解や調停が成立した場合も、時効が更新される(民法147条2項)。
強制執行を行ったが、十分な回収ができなかった場合、時効が更新される(民法148条2項)。
📌 ポイント
時効のカウントがゼロに戻る。
新しい時効期間がスタートする。
債務者が借金を認めると、時効が更新される。
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4. 時効の猶予と更新の違いを理解しよう!
時効の猶予は 「一時的に時効をストップするだけ」 であり、一定期間が経過すると時効の進行が再開します。
これに対し、時効の更新は 「時効のカウントをゼロにリセット」 するため、それまでの経過時間がすべて無効になり、新たな時効期間がスタートします。
例えば、
単なる請求(催告)は6ヶ月間しか時効の完成を猶予できない。
借金の一部を支払ったり、「まだ返す」と認めると時効がリセットされ、また最初からカウントされる。
この違いを理解しておくことで、試験問題でも正しく判断できるようになります。
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5. 宅建士試験での重要ポイント
時効に関する問題は、宅建士試験で頻繁に出題されます。
特に、以下のポイントをしっかり押さえておきましょう。
1. 時効の猶予は一時的なストップであり、リセットではない。
2. 裁判を起こすと時効は猶予され、判決確定後に時効が更新される。
3. 債務者が「払う意思」を見せると時効が更新され、カウントがゼロになる。
4. 単なる請求(催告)は6ヶ月しか猶予されず、その間に裁判をしないと時効が完成する。
特に 「裁判を起こすと時効は猶予されるが、確定判決が出ると更新される」 という点は、試験で問われやすいポイントです。
また、 「債務者が借金を認めると時効が更新されるが、請求だけでは猶予にしかならない」 という違いも重要です。
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6. まとめ
宅建士試験では、「時効の猶予」と「時効の更新」 をしっかり理解しておくことが大切です。
時効の猶予 は 「一時的な停止」 であり、終了後はまた時効が進行する。
時効の更新 は 「ゼロリセット」 され、また最初からカウント開始。
例えば、催告(請求)をするだけでは6ヶ月しか猶予されませんが、債務者が借金を認めると時効が更新され、新たに時効の期間がスタートします。
試験では 「この場合は猶予?更新?」 と問われることが多いので、具体例とセットで覚えておきましょう!
【宅建士試験対策】時効③時効の猶予と更新をわかりやすく解説!

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